コラム

本当に伝わる「報連相」とは?― 今すぐ実践できるたった2つのポイント ―

ビジネスシーンで頻繁に耳にする「報連相」。
これは、「報告」「連絡」「相談」の頭文字をとった用語で、社会人として基本中の基本とも言えるスキルです。
しかし、単に「報告しました」「連絡します」「相談があります」と形式的に行うだけでは、相手に本当に伝わる報連相とは言えません。
では、どのようにすればより効果的に、相手に伝わる報連相ができるのでしょうか?
その答えは、「結論を先に伝えること」「相手の手間を省くこと」の2つ。

このポイントを意識するだけで、驚くほど伝わりやすい「報連相」になります。
本コラムでは、この2つのポイントについて具体的に解説します。

結論を先に伝える

報連相で最も重要なポイントの一つが、「結論を先に伝える」ということです。
多くの人が、報告や相談の場で状況や経緯を細かく説明しすぎてしまい、肝心の結論が後回しになるケースがあります。
しかし、これでは相手が要点を把握するのに時間がかかり、結果的に効率が悪くなってしまいます。

たとえば、次のような状況を考えてみてください。

《悪い例》
「昨日のクライアントとの会議で、新しい提案についていくつか意見が出ました。その中で予算について質問があり、資料を確認したところ問題点がいくつか見つかりました。それで、追加の資料を提出する必要があると考えています。」

《良い例》
「追加資料の提出が必要です。昨日のクライアントとの会議で予算に関する質問があり、資料に問題があることが判明しました。詳細を以下に説明します。」

このように、結論を先に伝えることで、相手が話の要点を瞬時に理解できます。
結論が最初に明示されていると、相手は次に何をすれば良いかを考えながら話を聞けるため、非常に効率的です。
結論を先に伝えるには、話す前に要点を整理しておくことが重要です。
具体的には、「何を伝えたいのか」「相手にどのような行動を求めているのか」を明確にしておくと良いでしょう。
事前にメモを用意しておくなどして、自分の中で話す順序を組み立てておくことも効果的です。

相手の手間を省く

もう一つの重要なポイントは、「相手の手間を省く」ということです。
報連相は一方通行ではなく、相手がそれを受けて行動する必要がある場合がほとんどです。
そのため、相手が次の行動にスムーズに移れるよう、伝え方を工夫することも必要です。

相手の手間を省くためには、次のような工夫が考えられます。

◆具体的な提案を含める
単なる状況報告ではなく、「このように対応するのが良いのではないか」と具体的な解決策や提案を添える。

◆資料や情報を整理しておく
報告に必要な資料をあらかじめ添付したり、関連リンクを共有したりして、相手が確認作業を簡単にできるようにする。

◆簡潔にまとめる
長々とした説明は相手の時間を奪います。
簡潔に話しつつも、必要な情報は漏れなく伝えるよう意識しましょう。

上記を頭に入れ、たとえば次のようなシーンを考えてみましょう。

《悪い例》
「商品の在庫が不足しています。どうすれば良いですか?」

《良い例》
「商品の在庫が不足しています。追加発注が必要ですが、予算は現状で問題ありません。発注手続きを進めて良いでしょうか?」

良い例では、状況報告だけでなく、次にどうするべきかを明確に提案しています。
予算に問題がないことも事前に調査済みで、相手が再度調べるという手間も減らすことができています。
これにより、報告を受けた相手がすぐに次の行動に移すことが可能になります。

日々の小さな工夫から始めよう

報連相の改善は、一朝一夕で完璧にできるものではありません。
しかし、「結論を先に伝える」「相手の手間を省く」という2つのポイントを意識するだけで、相手への伝わりやすさが大きく変わります。
特にメールやチャットなど、日常的に行うコミュニケーションからこの意識を取り入れてみてください。
まずは、「結論先行で伝える」ことだけでも実践してみましょう。
それだけでも、相手にとって劇的にわかりやすい報連相になります。
そして、次第に相手目線を意識した工夫を加えることで、さらに効果的な報連相が可能になります。
報連相がスムーズに行えるようになると、業務全体の効率が向上し、チームの信頼関係も強化されます。
ぜひ、今日から取り組んでみてください。

弊社では、ビジネスマナーをはじめとした社内研修も承っております。
ぜひお気軽にご相談ください。

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