5月7日に事業再構築補助金の第一回目申請が締め切られました。本来は4月30日に締め切られる予定でしたが、システム障害などもあり期間が延長されました。
前例のない補助金ということでかなり混乱をきたしましたが、申請を支援する側も期間が短いことで大変でした。今回は第一回目の考察を踏まえ、第二回目の傾向などをお話したいと思います。
申請件数はどのくらい?
まず第一回目の申請件数ですが、巷では10万件とも言われているようです。長野県だけでも1000者近くが申請したと見られますので、その数字もあながち嘘ではないかと思われます。
すこし甘めに見て5万件としても、採択件数が1万円強であることから、採択率は非常に低いものとなるでしょう。仮に第一回目に不採択となったら、その事業者は第二回目にまた申請をかけますので、第二回目はさらに件数が多くなると予想されます。
このような中で採択につなげていくには、「事業再構築の必要性」と「実現可能性」が重要となります。特に事業再構築の必要性については、多くの事業計画書で見落とされている部分です。
そもそも今回の補助金は「事業再構築」補助金です。事業再構築の必要性がないと判断されれば、そこで不採択となってしまいます。この点特に気をつけておくべきだと考えます。
第二回目、採択につなげるには?
第二回目はさらに多くの申請が見込まれますが、その中で採択につなげるには「事業再構築の必要性」と「実現可能性」のほか、「地域経済への波及効果」や「IT活用」、「SDGs(持続可能な開発目標)の取り組み」なども必要となります。
ものづくり補助金ではイノベーションなどがややウェイトを占めていましたが、事業再構築補助金はむしろ「地域経済への波及」を重視しているようにも読み取れます。これは乗数効果にも通ずる部分ですが、その事業者に補助金を入れることでどのくらいの経済効果が見込めそうか、という視点はかなり重視されているようです(実際にものづくり補助金ではこの部分が課題となっていました)。
ちなみに私の場合、ヒアリングを通じて事業者の方のやりたいことを伺いますが、そこへ肉付けをしていくことも多いです。
例えば地域事業者との連携やプロモーション、ターゲット顧客の追加など、様々な視点から戦略・戦術・具体策を提案していきます。これができるのは経営支援のゼネラリスト、つまり特定の専門分野を持たない専門家であるからだと考えております。
今回の事業再構築補助金は、ものづくり補助金のように「特定の機械や設備」で事業計画書を策定すると必ず不採択となります。事業全体から俯瞰し、何をどうすれば国が求めている内容に応えることができるか、それを意識すると採択率もグンと上がるでしょう。