~インターンシップを通して~
清泉女学院大学人間学部3年
西條 美咲
今回『仕事とは何か』を知りたいと思い、1週間のインターシップに参加しました。 元々人の心に興味があった私は、だんだんとマーケティングに興味があることが分かり、学校から紹介された戦略デザインラボさんでお世話になりました。
たくさんのことを経験させていただく中で、6か所の現場へリサーチとしてインタビューをさせていただきました。その中で人の心の奥底に眠っているようなものを感じ、知ることができました。
インタビューを通して貴重な体験をし、たくさんの感情に触れることができたことで私なりに理解した「“はたらく”について」、そしてそこから見えてきた「教育現場のこれからの課題」をレポートとしてまとめてみました。
【インタービューについて】
対話が好きな私にとって、初めは自分の特性を活かせると思い自信満々で挑みました。 目的だけが伝えられ全て自分で考える環境でしたので、質問を用意するところから、事前準備まで自分なりに完璧にしていました。しかし実際は自分の目標達成のことばかりを考え、相手への配慮にまで意識が回っていませんでした。
自分中心のインタビューをしてしまっていたことに気付きフィードバックを求めると、「相手に合わせることで、もっとお互い心地よいコミュニケーションになる」など様々なアドバイスをいただきました。
そこで相手の時間も大切にするために
・質問数を減らす
・相手の回答から会話を広げる
・とにかく話を聞いて寄り添う
・相手との空気間が同じくなるようにスピードを合わせる など、お互いが心地よいコミュニケーションとなるように何度もやり方を変えていき、相手への配慮を学ぶことができました。
【高校・大学の先生方から感じたこと】
◆長野俊英高等学校
生徒達に寄り添いながら学校生活を見守っていらっしゃる事を言葉の一つ一つから感じました。特に「やらなければいけないことの先にある“やりたいこと”を見つけてあげたい。」という言葉から教育現場に携わる大人の心の温かさを感じました。
◆長野商業高等学校
学校全体で取り組んでいる姿勢にすごく誇りを持っていることを言葉の端々から感じました。その中で「心は高く 身は低く」という言葉を教えていただき、私も高い志と学ぶ姿勢を持ち続けたいと思いました。
◆長野清泉女学院中学・高等学校
「良いことも大変なことも全ての経験があったから今の自分がある。そんな考えをもった人になって欲しい。」との言葉に生徒達には大きく羽ばたいてほしいというお気持ちを感じました。それは長い人生を乗り越えきたからこその重みと優しさだと感じました。
◆清泉女学院大学
学校生活の中でたくさん学び社会で活かしていって欲しいということが伝わってきました。「宗教や心理学を学んでいるからこそ“多様性”や“個性”を活かせる人であって欲しい。」とお話しいただき、今の学びが未来に繋がっているという安心を得ることができました。
【高校・大学インタビューのまとめ】
高校では自分の未来を探すための「一歩」を寄り添いながらサポートし、大学ではそこから専門的な分野による次の「一歩」を後押ししていただいていると感じました。学校という場所は先生方の愛情で溢れており、その環境で過ごしてこれたことは当たり前ではなく、幸せなことだと気付くことができました。
【企業・自治体について感じたこと】
今回、地元企業や自治体へも直接お話を聞くことができました。 環境や立場が違う中でもそれぞれに「やりがい・向上心・地元愛」を持っていることを知り、「はたらく」ということの魅力を肌で感じることができました。
◆石井瓦工業株式会社
「自分達の携わったものが形となり、地域に何十年も残っていくことがやりがいに繋がっている。またお客様からの“ありがとう”という言葉が更に力となっている。」とのことでした。『やりがい』は人の心を幸せで満たし、『ありがとう』という言葉がはたらく上で力となっているということを強く感じました。
◆須坂市役所 産業連携開発課
・働く中でたくさんの素敵な企業を知った。学生さんにももっと地元にある素敵な企業さんを知ってもらいたい。周りの先輩社員や上司の力をお借りしながら、日々地元をより良くしていきたいと強く思っている。」という言葉から、私と同じくらいの年齢でそのような高い志を持ちながら仕事をしていることがカッコイイと思いました。
・「社会に出る前に自分で選ぶということをたくさんしてきて欲しい。」とメッセージをいただきました。私自身今回のインターンシップについて、自分で選択をしたからこそ、様々な立場の人の感情・思いを知ることができました。だからこそこの言葉にとても共感できました。また、部下の成長を見守る上司の姿がとても温かく、これから社会へ出る私の漠然とした不安が消え、楽しみになりました。
【企業・自治体インタビューのまとめ】
私が想像していた社会よりずっと温かかったです。社会において全員が同じ人間ではないからこそ、人と人は支え合うことができているのだと知ることができました。そしてこの温かさを多くの若者が身近に感じられる世の中であってほしいと思いました。
【見えてきたこれからの教育現場について】
小学生から大学生へと成長するにつれ、インターンシップ、アルバイト、塾などで様々な大人と関わる機会があります。しかしそれは決まった環境の中での大人しか知ることはできません。 だからこそ外の大人(はたらく大人)を知るきっかけを持つ場所としても、学校という場が大切なのかなと感じました。 学校が今より“はたらく大人と出会える場所”となっていくことで、学生時代のうちに本当の意味で「はたらくとは何か」を学ぶことができます。そしてそれは個々の学生生活の充実と自己の探求をより深めることが出来るのではないでしょうか。 今回のインタビューを通して、学校現場が抱える最重要課題が見えてきた体験となりました。
【インタビューを終えて】
日頃、はたらく大人達の外側しか見る機会がなく、大人達の本当の心に触れることもないため「どんな思いではたらいているのか」を知ることはありませんでした。 6箇所のインタビューを通して実際にはたらいている大人と触れ合い、皆それぞれ仕事に対し「誇り」や「やりがい」を根底に持ちながら日々を生きているということを知りました。
今回の経験は自分の中の社会に対してのイメージを大きく変え、人の言葉や熱意というのは心を動かすものがあるとすごく感じました。そんな様々な思いに触れられたことで、自分もそんな熱い気持ちを持ちながら働いてみたいと強く思いました。 私が近い将来どんな大人になっていくのかを楽しみにしつつ、卒業後約40年もあるはたらく時間を念頭に置きながら、残りの大学生活を実りある充実したものにしていこうと感じています。
【進路に悩んでいる皆さんへ】
自分がなりたい大人というのが頭に浮かぶでしょうか。私は大人になるということ、はたらくということがイメージできず漠然とした不安を抱えていました。
しかし今回のインターンシップを通してたくさんの人の心に触れ、たくさん考えたことで自分の視野が大きく広がりました。 たくさんの人と出会い、交流をすることで学べるものや感じられるものがたくさんあると実感できました。
「自ら動くこと」「たくさんの人に会うこと」それを繰り返すことで、そのうちきっと!なりたい将来が見えてきますよ!