ビジネスシーンのなかで、人に「教える」という場面は数多くあるかと思います。
・新入社員が入社してきたとき
・部下に指導をするとき
・仕事の引継ぎをするとき
そのような場面に遭遇したときに、自分の知識や経験を思うように伝えることができなかったり、相手に理解してもらうことができず、「自分の教え方が悪いのではないか」と思い悩んでしまうことはありませんか?
そんなときに、実践してみてほしいのが「問いかける」ということです。
問いかけの方法
教えるという行為は、単にあなたが持つ知識や技術を伝えるだけではありません。
効果的な教え方とは、相手の思考を引き出し、主体的に学びを深める手助けをすることを言います。
問いかけを活用することで、教えられる側は自分自身で考え、答えを導き出す経験を得ることができ、一方的にただ伝える教え方よりも、自分ごととして深く刻まれ記憶にも残りやすくなるというメリットもあります。
そんな問いかけの方法には大きく分けて2つの種類があります。
それが「オープンクエスチョン」と「クローズドクエスチョン」です。
オープンクエスチョン
オープンクエスチョンとは、答えが限定されず、相手に自由に回答してもらうような質問のことを指します。
5W1Hを使用した質問などが挙げられます。
例えば、「なぜこれをやっていると思いますか?」「この問題を解決するためには何が必要だと思いますか?」といったものです。
これは相手の自発的な考え方を促す効果があり、回答の制限がないため相手が感じたことや思ったことを自由に話すことができるというメリットがあります。
制限がないため、思いもよらなかったアイデアや答えが出てくることもあります。
クローズドクエスチョン
一方、クローズドクエスチョンは、YESかNOや、いくつかある選択肢のなかから選んで答えられる質問のことです。
これは相手にスムーズに答えを出してもらいたいときに使用されます。
例えば「AかBならどちらの案が良いですか?」というような形で、回答の方向性を示すような質問を指します。
相手が問いかけに答えられないレベルの場合、クローズドクエスチョンである程度選択肢を与え、答えに誘導するといったことも効果的です。
人材育成における「問いかけ」
以上をふまえ、オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンは、相手の状況やレベルに応じて使い分けることが重要になります。
どちらの場合においても、単純に質問をするのではなく、「問いかける」ことにより、相手自身の考える力を導き出し、問題の本質に気付かせることがポイントです。
問いかけの活用で見えてくる変化
問いかけを中心とした人材育成を実践することで、組織は大きく変わっていきます。
それは、相手に自分の意思や考えを表現させると、問題を自分事として捉える背景が生まれ、これにより、自発的に考え行動ができるようになり、組織全体の生産性の向上や効率化が期待できます。
問いかけを日頃から意識している組織は、問題に直面した際にそれを解決するために、自分たちで考え答えを導き出すことができます。
個人の成長のみならず、組織全体の成長を促す大きな要因にもなるのです。
まとめ
「問いかける」ことの大きな目的は、自分自身で答えを導き出し、本質への「気づき」に相手の意識をもっていくことにあります。
教え方に困ったときは、まず「問いかけ」からはじめてみましょう。
弊社では、自社で実践したノウハウをもとに、人材育成の支援も行っております。
お悩みの方はぜひ一度お気軽にご相談ください。